個人再生
個人再生とは
裁判所への申し立てにより、借金を大幅に減額し,原則として3年間で分割して返済していくという手続です。
個人再生は,住宅等の財産を保持したまま手続きを行うこともでき、ご自宅をお持ちの方、自己破産をすると職業を継続できなくなる方に有効な手続です。
個人再生の大きなメリット
- 住宅ローン特別条項を利用すれば、ご自宅を手放さずに、借金を減額できます。
- 業者からの取立てを止めることができます。
- 再生計画による返済が開始するまで、支払いを止めることができます。
※裁判所によっては、再生計画による返済の開始前に一定額の積み立てを求める場合もあります。 - 借金を、法律で認められた減額割合いまで大幅(5分の1程度)に減額します。
※但し、100万円までしか減額できず、現に有している財産の合計額が、借金の5分の1を上回る場合には、現に有している財産の合計額までしか減額できません。 - 自己破産のように各種の資格制限がありません。
※個人再生を利用するためには、 以下の要件を満たす必要があります。
- 住宅ローンなどを除いた、借金の総額が5,000万円以下であること
- サラリーマン・自営業者を問わず、将来にわたり、安定した収入が見込めること
個人再生の流れ
1 受任通知の発送
弁護士が、ご依頼をいただいた当日に、「受任通知」を貸金業者へ発送し、今後の請求を止めます。また、今後の返済も止めていただけます。
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2 法律に基づく適正な金利への引き直し計算
弁護士が、開示された取引履歴をもとに,法定金利(15~20%)に基づく引き直し計算を行い,正しい借金の金額を確定します。
この際、「過払い金」が発生する場合もあります。
なお、貸金業者から取引履歴が開示されるまで,通常は1~2か月間かかります。
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3 申し立て書類の準備、申し立て
弁護士と打合せをしながら、裁判所へ申し立てる書面を作成していきます。あわせて必要書類の収集等を行っていただきます。
申立ての準備が整いましたら、裁判所へ申立てを行います。
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4 再生手続き開始決定
裁判所が,個人再生手続の開始を決定します。
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5 再生計画案の作成・提出
弁護士と打合せをしながら、免除額や残りの借金額、家計の状況などを検討し、再生計画案を作成します。再生計画案を作成しましたら、裁判所へ提出します。
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6 債権者による書面決議
再生計画案が法律上の要件を充足している場合には,小規模個人再生では,裁判所から各貸金業者に再生計画案と議決書が郵送され,書面による決議が行われます。なお,給与所得者等再生では貸金業者の決議はなく,意見聴取が行われます。
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7 再生計画認可決定
貸金業者の2分の1以上および債権額の2分の1を超える反対がなく(小規模個人再生の場合),裁判所が再生計画案に記載した返済計画案のとおり借金の一部が返済される見込みがあると判断した場合は,裁判所から再生計画認可決定が出されます。
認可決定が確定することにより、手続きは終了します。
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8 返済の開始
決定後,再生計画で定めた返済計画に沿って,返済を開始します。
個人再生手続きを行うと・・・
- 7年から10年程度の間、新たにお金を借りることやクレジットカードを作成することが難しくなります。
- 官報に掲載されることになります。しかし、官報を購読している一般の方はほとんどいませんので、官報からご家族やご勤務先に破産の事実を知られる可能性は低いです。