当て逃げに時効はある?当て逃げ後の対処と自首すべき理由

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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当て逃げに時効はある?当て逃げ後の対処と自首すべき理由

車をガードレールなどにぶつけてしまった場合、通常であればすぐに警察や自動車保険会社に連絡して対応しなければなりません。

ですが、ちょっとぶつかっただけだったり、免許を持っていなかったりすると、「そのまま逃げてしまってもいいのではないか?」と思ってしまう方もいます。

当て逃げには時効があり、時効を過ぎると事故について言及されることはなくなります。

本記事では、当て逃げの時効はいつまでなのか、当て逃げの時効を待つのはどのようなリスクがあるのかを解説します。

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1 当て逃げの公訴時効は3年

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当て逃げの公訴時効は3年間です。

公訴時効とは、犯罪が終わってから一定期間が過ぎると起訴できなくなることです。

起訴できないと刑事裁判には発展しないため、当て逃げをしたとしても処罰を受けることはなくなります。

民亊でも時効となった場合、被害者からも損害請求をされることがなくなるため、公訴時効を迎えれば事実上、安心と思う方もいるでしょう。

ただし、ぶつかったのが建物などの物損事故ではなく、人をけがさせた場合、損害賠償請求権の時効が成立し、時効が5年に延長されます。

1-1 公訴時効が停止するケースもある

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公訴時効は3年間と非常に短いですが、時効期間がいったん停止するケースもあります。

事故を起こしたから国外などに逃亡したいと思っても、時効が停止してしまいます。

「もう3年経ったから大丈夫」と油断しているとある日突然損害賠償を請求される可能性もあるので注意しましょう。

①犯人が国外にいる

当て逃げをした犯人が国外にいる場合、その期間の公訴時効は停止されます。

国外に長期間逃亡したとしても、日本に帰国した時点から残りの時効が開始されるので注意しましょう。

国外に長期滞在していて帰ってきてから逮捕されるというケースもあります。

②犯人に起訴状などの送付ができない

当て逃げの犯人として突き止められると、起訴状が自宅に送付されます。

ですが、事故後引っ越し住所を正確に届け出なかった場合、起訴状を送付できなくなってしまいます。

起訴状が届かない限りは時効が停止するため、時効まで逃げ切ればいいわけではない点に注意しましょう。

③共犯者が起訴された

当て逃げをしたときに同乗者がいた場合、その同乗者が起訴されると一緒に車に乗っていた人の時効が停止します。

その共犯者が裁判にかけられ、判決が確定した段階から時効が進み始めます。

共犯者がつかまったものの自分はバレていないと思っていても、共犯者の証言から起訴につながる可能性もあると理解しておきましょう。

2 当て逃げの民事責任の時効は3年または5年

当て逃げの公訴時効は3年間ですが、民事責任の時効は5年です。

民事時効には二種類あり、以下のいずれかの早い方が適応されます

一つ目は、被害者や法定代理人が加害者を知ったときから3年。

もう一つは、当て逃げなどの不法行為をしてから5年です。

交通事故を起こした人の損害賠償義務は一般的に3年で消滅します。

ですが、当て逃げの場合被害者は加害者を特定できないため、「加害者を知ったとき」の3年間の時効が基本的に適用されません。

当て逃げ自体が不法行為に当たるため、時効までは20年あると考えておくのが最適です。

2-1 損害賠償の時効は犯人を知ってから 3年

民事責任の時効は20年ですが、損害賠償の時効は被害者が加害者の存在を知ってから3年です。

そのため、事故が発生してから3年経ったら安心というわけではありません。

相手がさまざまな調査により当て逃げの犯人を知ったらそこから調査が始まることもあり、何年も経過してから警察から呼び刺されることもあるでしょう。

3 当て逃げの行政責任の時効はない

当て逃げは、さらに行政責任も問われます。

この行政責任に時効がなく、一生涯当て逃げをしたことが発覚する可能性があります。

現実的には、公訴時効が成立すると警察は捜査をストップします。

そのため、公訴時効終了後に警察に当て逃げについて言及される可能性は低いでしょう。

ですが、時効がなく一生涯当て逃げがバレるかどうか怯え続けなければならないことは理解しておく必要があります。

4 当て逃げの時効が始まるのがいつから?

当て逃げの時効は、事故を起こした日から始まるとは限りません。

複数のパターンがあるので、どのケースに該当するのかチェックしてみましょう。

4-1 損害賠償請求権の時効は加害者を特定した翌日から

損害賠償請求権の時効が発生するのは、事故があった日からではなく、加害者を特定した日の翌日からです。

交通事故の被害にあっても、車に乗っていなかった、建物の損傷に気づかなかったなどの時点では時効が始まりません。

また、調査やレコーダーの記録などから犯人が特定された翌日から時効がカウントされまはじめます。

事故から五年経てば無罪放免とはならない点に注意してください。

4-2 犯人がわからない場合は事故の翌日から

調査をしても当て逃げの犯人がわからないこともあります。その場合は、事故の翌日から時効がスタートします。

この場合は時効の期間が20年と長くなるため、逃げ切ることはより難しくなるでしょう。

ただし、前述の通り一般的な時効である3年を迎えると、調査をしなくなるケースが一般的です。

バレる可能性は低くても、20年間も「バレるのではないか」とビクビクしながら過ごすのは精神的にも非常に苦しいでしょう。

その他、時効開始のルールは多数あります。

以下で簡単に解説しますが、複雑でわからない場合は専門家に相談するのが一番です。

  • 起算点(被害者が加害者を知った日)…翌日から
  • 当て逃げで建物などが損壊した場合…事故の翌日から
  • 当て逃げで人がけがをした場合…症状固定日の翌日から
  • 当て逃げで人が死亡した場合…死亡した日の翌日から

さらに、上述したように犯人が海外にいたり警察と連絡できない状態にあると時効が伸びます。

「もう時効だから」と思っていても捜査によってはいきなり警察から呼び出される可能性は十分にあります。

5 故意ではない物損事故なら事件にならない

建物などに車をぶつけてしまったら、逮捕される、前科がつく、学校や職場にいられなくなるなど、一気にさまざまな不安が頭をよぎるでしょう。

ですが、故意ではない物損事故の場合は事件として扱われない可能性があります。

どのようなケースで罪に問われなくなるのかをチェックしてみましょう。

5-1 刑事事件化しない

故意ではなく建物やガードレール、電柱などにぶつけてしまった場合は、危険防止措置と警察に連絡を適切に行えば、上げ逃げには該当しなくなります。

そのため、刑事事件に発展することもありません。

【関連記事】事故でガードレールにぶつかったらどうする?手続き・義務・点数を解説

【関連記事】電柱に車をぶつけたら警察へ|対処法とおこるトラブルを弁護士が解説

ですが、ぶつかったことで壊してしまった建物やガードレールなどの所有者に対する民事責任は発生します。

修理費用など、損害賠償金は発生するので注意しましょう。

事故を起こさないのが一番ですが、刑事事件に発展せず民事事件で収められるので、重い罰を受けることはありません。

5-2 違反点数が加算されない

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故意ではなくものに車をぶつけてしまった場合、違反点数が加算されることもありません。

そのため、行政処分を受けることもありません。

当て逃げをすると器物損壊罪に問われると考える人も多いですが、故意ではなかった場合は犯罪にはなりません

【関連記事】当て逃げはすぐに警察へ。法的な責任と賠償金を弁護士が解説!

ただし、現場検証などで故意である可能性が認められた場合は器物損壊罪が成立することもあるので、注意してください。

6 当て逃げをして時効を待つリスク

当て逃げの時効は最短3年と短く、ぶつかったものの損壊度も低ければ逃げ切ってもバレないだろうと考えている方も多いのではないでしょうか。

ですが、当て逃げをして時効を待つのはさまざまなリスクがあります。

すぐに報告すれば、罪も負担額も少なく済む可能性が高いので、リスクを確認して早めに自首することを考えましょう。

6-1 突然逮捕される

人通りが少ない場所で当て逃げをした場合でも、突然逮捕される可能性があります。

人の目がないと思っていても、遠くにいた通行人が見ていた、防犯カメラやドライブレコーダーに映っていたなどの理由から誰が当て逃げをしたかバレるケースは多いです。

とくに近年では、多くの家庭や車がカメラを搭載しています。

完全にバレずに時効を迎えるのは難しく、すぐに警察に連絡をしなかったことでさらに罪が重くなるケースもあります。

【関連記事】(交通事故)警察からの連絡はいつ来る?呼び出しになるケースとは?

6-2 示談交渉をしにくくなる

車を建物などにぶつけてそのまま逃げてしまうと、いざ犯人が発覚したときに示談交渉をしにくくなります。

示談交渉ができれば、話し合いにかかる費用がかからないだけでなく裁判よりも短期間で解決します。

もちろん示談金を支払う必要はありますが、前科がつくよりも生活面などで大きなメリットがあります。

6-3 刑罰が重くなる

車をぶつけたことをすぐ警察に報告しなかったことで、発覚したときにさらに刑罰が重くなる可能性があります。

すぐ警察に連絡し、自首していれば罪は最低限に留まります。

また、故意ではない事故であった場合は事件には発展しません。

バレたくない、賠償金を支払いたくないなどの気持ちが強くても、後々のことを考えると早めに警察に連絡することをおすすめします。

6-4 同乗者も罪に問われる

当て逃げをしたときに人を乗せていた場合、同乗者も罪に問われることがあります。

その場で警察に連絡しなかったことを助けた、黙っていた場合、犯人に協力したとみなされます。

家族や友人など、大切な人の経歴にも傷がついたり、お金を支払わなければならなかったりするので、迷惑がかかってしまいます。

7 当て逃げは逃げ切れない可能性が高い

当て逃げをしても見つかれなければ、賠償金や示談金を支払う必要はありません。

ですが、バレずに時効を迎えるのは難しいでしょう。

当て逃げがバレる可能性が高い理由を解説します。

7-1 ドライブレコーダーの映像

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ドライブレコーダーの映像から、当て逃げがバレる可能性は高いです。

近年はあおり運転や高齢者の運転などで事故に巻き込まれることを恐れ、車にドライブレコーダーを搭載している方が多いです。

ドライブレコーダーは車を運転していない間も録画を続けているものも多く、住宅や駐車場の近くで当て逃げをすると当て逃げの様子や車のナンバーまで判断できてしまいます。

注意に人がいなかったからバレないと思っていても、トライブレコーダーから発覚する恐れは非常に高いです。

7-2 監視カメラの映像

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監視カメラの映像から、当て逃げが発覚するケースもあります。

コンビニやスーパーなど、さまざまな場所に監視カメラは設置されています。

また、不審者の侵入を防止するため、自宅の玄関などに防犯カメラを設置している家庭もあるでしょう。

近年監視カメラの性能は非常に高まっており、車のナンバープレートを読み取ることも可能です。

遠くにあるカメラだから大丈夫、車に人が乗っていなかったからバレないと油断しないようにしてください。

7-3 周辺からの目撃証言

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周囲からの目撃証言をもとに調査が行われ、当て逃げが発覚するケースもあります。

被害者が車のナンバープレートを覚えていただけでなく、通行人がなんとなく車の色や車種を覚えているケースもあります。

ナンバープレートがわかれば捜査はすぐに進み、警察からの呼び出しが来るでしょう。

目撃証言が曖昧な場合でも、警察の地道な捜査によって事件が発覚する可能性は非常に高いです。

前述のとおり、交通事故を起こしたことを警察に連絡しないでいるとさらに罪が重くなってしまいます。

8 当て逃げで逮捕される理由

当て逃げはどのような罪に問われるのかを考えてみましょう。

思わぬ理由で逮捕される可能性もあるので、当て逃げはしないことが大切です。

8-1 危険防止措置義務違反

当て逃げをすると、危険防止措置義務違反という理由で逮捕されます。

車の運転手は、事故を起こしたらすぐに車を停め、周囲を確認して必要であれば負傷者の対応をしなければなりません。

これは車を運転する人の義務であり、怠ると法律違反になります。

当て逃げの場合 は車を停めなかった、周囲を確認しなかったということになるため、この危険防止措置義務違反に該当します。

危険防止措置義務違反は1年以下の懲役、または10年以下の懲役が科せられます。

8-2 報告義務違反

当て逃げは、報告義務違反にも該当します。

交通事故を起こしたら、速やかに警察に連絡して事故を起こした場所や日時、状況などを報告しなければなりません。

警察に連絡せず逃亡した場合は報告義務違反として。3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科せられます。

8-3 別件で逮捕される可能性もある

当て逃げをすると、危険防止措置義務違反、報告義務違反のほか、さまざまな理由で逮捕される可能性があります。

人をけがさせた場合はひき逃げに該当し、運転中にお酒を飲んでいた場合は飲酒運転とみなされます。

ほかにも、あおり運転や無免許運転、薬物犯罪などの理由で逮捕されることもあります。

後ろめたい理由があって警察に報告できないと感じる人もいますが、いずれにしてもすぐに警察に連絡したときより事態が重要になってしまうので注意してください。

9 当て逃げをしても逮捕されないケースもある

当て逃げをしても、逮捕されないケースもあります。

当て逃げが発覚してもすぐ逮捕とはならず、任意で取り調べが進むケースです。

当て逃げの疑惑があって逮捕されたとしても、きちんと取り調べに応じて誠実な姿勢を見せれば、証拠隠滅や逃亡の可能性がないとして、任意での捜査に切り替わるパターンも多いです。

当て逃げをしたらすぐ逮捕、懲役と考えて逃げたくなる気持ちがあるかもしれませんが、真摯に対応することで罪が軽くなるだけでなく

そうなれば自宅から警察署に通えるので、仕事や家庭についても比較的問題なく通常どおり生活できるでしょう。

このように事故が発覚しても拘留せずに手続きを進めることを、在宅事件と呼ぶこともあります。

在宅事件になっても罪が軽くなったり無罪になることはありませんが、身柄を拘束されないため仕事などに悪影響が出ることを防げます。

10 当て逃げの時効を待つより自首したほうがいい

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当て逃げの時効は最短3年、最長で20年あります。

また、海外に行っていたり住所が特定できなかったりすると時効は延長されます。

監視カメラなどの映像からバレる可能性も高く、逃げ切るのは難しいでしょう。

人をけがさせていない物損事故の場合、すぐに警察に連絡をすれば最低限の懲罰で済みます。

賠償金や示談金の金額も低くなるため、長期間「バレるのではないか?」と不安に感じるより、早く警察に連絡することをおすすめします。

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