養子縁組の相続|メリット・デメリットを弁護士が徹底解説!

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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養子縁組の相続|メリット・デメリットを弁護士が徹底解説!

養子縁組をすることで、養子を法定相続人に含められます。

「相続税対策をしたい」「この人に財産を相続させてあげたい」といった思いから、養子縁組を検討される方も少なくありません。

しかし、養子縁組が絡む相続は複雑かつ相続トラブルにもつながりやすいです。一方的な思いですすめていくと、将来親族同士が揉めることになるかもしれません。

本記事では、養子縁組と相続関係について、養子縁組のメリット・デメリットについて解説していきます。

1 養子縁組とは

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養子縁組とは、血縁関係を無関係に、法律上の親子にするための手続です。養子縁組で親子になると、法律上の扶養義務が生じたり、養子が法定相続人になったりします。養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があります。

1-1 普通養子縁組

普通養子縁組では、養子になる子と実親との親子関係は維持したまま、養親と養子が法律上の親子になります。養子になったとしても、実親からの遺産相続が可能です。もちろん、養親が亡くなった際も、養親から遺産の相続を受けられます。

<孫養子>

孫養子とは、実孫を普通養子縁組によって養子として迎え入れることです。

最大のメリットは、相続人の数が増えて相続税の節税効果が期待できる点です。祖父母からの遺産を孫が受け取る際、養子縁組をしておくことで相続税がかかるタイミングを1回スキップでき、本来の相続の流れと比較して節税になります。

一方で、孫養子をした際のデメリットは、争いの原因になったり相続税が増えたりする可能性がある点です。詳しくは養子縁組のメリット・デメリットの部分で解説します。

1-2 特別養子縁組

特別養子縁組は実親との親子関係は維持されません。「養親=実親」という考え方の制度です。

普通養子縁組では戸籍に実親の名前が記載されますが、特別養子縁組の場合は実親の記載はされません。特別養子縁組をするためには、いくつかの条件を満たす必要があり、基本的に15歳未満の子どもにのみ適用されます。

特別養子縁組は児童福祉のための側面が強く、家庭裁判所の審判もいるため、相続対策などとしてなされることが多い普通養子縁組とは目的も大きく異なります。実親が死亡した際も相続人になることはできません。

2 相続に関連する養子縁組のメリット

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普通養子縁組を行う場合、相続についてどのようなメリットがあるかみていきましょう。主な2つのメリットについて解説します。

2-1 相続税対策になる

養子縁組を行うと、相続税の節税ができます。具体的には、相続税を計算する際の基礎控除が増えます。基礎控除額の計算は下記の計算式です。

3000万円+600万円×法定相続人の人数

養子縁組をすると法定相続人の人数が増えるため、基礎控除額も1人につき600万円ずつ増えていきます。ただし、基礎控除の計算に含められる養子は2人までです。実子が1人いる場合、養子は1人まで、実子がいない場合は2人までです(養子縁組そのものは何人でも構いません)。

相続税の対象になる生命保険死亡退職金についても養子縁組をしておくと、非課税枠がそれぞれ養子1人につき500万円ずつ増えます。

2-2 特定の人に財産を相続させることができる

生前お世話になった人や、特別に感情のある人に対して財産を残したい場合、その手段として養子縁組がとられることもあります。

たとえば、「献身的に自分の介護をしてくれた長男のお嫁さんを養子縁組して財産を渡す」といったケースが考えられるでしょう。この場合、本来相続人である息子が亡くなっていたとしても、お嫁さんには財産が相続されます。もちろん、遺言によって財産を遺贈する方法もあります。

しかし、養子縁組で相続させるのか、遺言書で遺贈するのかは状況によって適切な判断が異なるので、弁護士などの専門家に相談しながら判断するとよいです。

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3 養子縁組のデメリット

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養子縁組のメリットについて解説してきましたが、もちろんデメリットも存在します。2つのデメリットについてみていきましょう。

3-1 相続税が増える可能性がある

孫養子など一親等および配偶者以外に相続を行う場合、相続税は2割加算になります。2割加算が適用されないのは下記の人です。

  • 配偶者
  • 子ども
  • 父母
  • 養子縁組をした人(孫養子は除く)
  • 代襲相続人となった孫

上記以外の人に相続が発生した場合は、基本的に相続税が2割加算となるため注意が必要です。

3-2 争いの原因になる可能性がある

養子縁組をすると、当然相続人の数も増えます。相続人が増えると、遺産分割協議で争いが起きたり、遺産分割が複雑になったりする可能性が高まります。

相続人数分、遺産が分割されるので、相続人1人あたりの取り分は少なくなるでしょう。実子など、もともと相続人であった人にとっては、養子縁組で相続人になった人をよく思わないこともあり得ます。

たとえば、実子1人・養子1人の状態で相続が発生した場合、法定相続分に従うと遺産の2分の1が配偶者へ、4分の1ずつが実子と養子に相続されます。

このとき、実子は養子がいなければ2分の1の遺産を相続できていたので、養子がいたことによって取り分が減ってしまうのです。養子を迎え入れるためには、単に節税だけのことを考えるのではなく、こういった状況になることを事前に相続人に伝え、理解を得ておく必要があります。

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4 養子と代襲相続の関係

養子と代襲相続の関係

相続が発生した際、被相続人の子どもである相続人がすでに亡くなっていた場合、被相続人の孫になる人(亡くなった相続人の子ども)が相続人になれる制度が「代襲相続」です。

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民法上、代襲相続は被相続人の直系卑属のみに認められる制度です。しかし、ここですでに亡くなった本来の相続人が養子であった場合は、状況が少し複雑になります。養子縁組前に生まれた子なのか、後に生まれた子なのかで代襲相続できるかが分かれます。

  • 養子縁組前に生まれていた子は代襲相続できない
  • 養子縁組後に生まれた子は代襲相続できる

4-1 孫養子であった場合も代襲相続できる

孫養子の状態であっても代襲相続は行えます。孫養子は、相続人と代襲相続人どちらの権利ももっている状態です(二重相続資格者)。

もし、相続発生時に本来の孫として代襲相続できる状況であれば、(養子の)子ども・孫それぞれの立場で2人分の相続分をもちます。代襲相続人として相続する分については、孫養子で相続する相続税2割増しのルールが適用されません。

ただし、二重相続資格者であっても1人の相続人としてカウントされるため、相続税の基礎控除額については1人分の控除しか認められません

5 弁護士に依頼するメリット

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養子縁組は相続トラブルへとなりやすく、親族の気持ちに配慮しながら慎重にすすめることが大切です。

養子縁組をする際は、弁護士に相談をすることで、後に発生する可能性がある相続トラブルを未然に防止できるように助言・アドバイスがもらえます。養子縁組をすすめるには他の相続人など、周囲の人からの理解も必要です。

弁護士が間に入ることによって、親族から同意を得やすく円満に養子縁組をすすめられるかもしれません。

また、相続税対策で、養子縁組が本当に有効かどうかは状況によって変わってきます。弁護士であれば、養子縁組以外の方法も含めて、トータルで最善の相続税対策を提案してくれるでしょう。

6 まとめ|養子縁組の相続は弁護士へ相談

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普通養子縁組をすることで、本来血縁関係がない方であっても、法定相続人として遺産を相続させられます。相続人の数が増えるため、相続税の基礎控除額が増えて相続税対策としても有効でしょう。

しかし、養子縁組は相続トラブルの原因になることも多く、親族の理解を得ながら慎重にすすめなければなりません。

弁護士に依頼をすることで、養子縁組によるトラブル防止ができたり、相続税対策のサポートを受けられたりします。これから養子縁組をしようか検討中の方や、養子縁組が絡む相続に関してお困りの方はぜひ弁護士に相談してみましょう。

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