高次脳機能障害は弁護士で変わります|交通事故の後遺障害の等級認定から交渉までお任せ

2023年3月30日 10:00

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

交通事故について1000件以上のご相談を頂いている弁護士です。

慰謝料の増額、後遺障害認定のサポートを中心に、死亡事故から後遺障害、休業損害の請求に取り組んでいます。

交通事故の被害者救済のために、積極的に法律・裁判情報の発信を行っています。

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交通事故による重大な怪我、後遺障害である高次脳機能障害は、脳の損傷による認知障害など目に見えにくい症状であることが特徴です。
 
高次脳機能障害となった場合、事故の後から物忘れが多くなったり怒りっぽくなったりしますし、就労にも影響し社会復帰が難しくなれば、サポートする家族の負担も大変なものとなります。後遺障害が認定されれば、等級に応じた慰謝料や逸失利益が加算され、経済的な負担は軽減されます。
 
本記事では、高次脳機能障害の後遺障害等級の認定方法や保険会社との交渉の進め方について、詳しく解説します。

1 高次脳機能障害の場合に弁護士へ依頼すべき理由

本記事では、被害者本人およびご家族が、ご自身で手続きを進められるように解説していきます。

もっとも、高次脳機能障害は障害認定の手続きが複雑で、かつ賠償金額が高額になるケースが多いです。ご自身方の手に余ると判断した場合には、速やかに弁護士に相談・依頼して適切に手続きを進めることを強くおすすめします。

1-1 高次脳機能障害は後遺障害の認定が認められにくく等級も複数ある

高次脳機能障害とは交通事故の影響で脳が損傷し、日常生活に支障が出るほどの障害が発生する症状です。

高次脳機能障害の特徴としては、初診時に頭に傷があり、事故後の意識障害6時間以上もしくは軽い意識障害が1週間以上続く点などがあげられます。

脳挫傷や硬膜下血腫などの傷病名と診断されると、高次脳機能障害の発生が疑われます。XPやCT、MRI検査などで脳の損傷を画像で確認することが大切です。高次脳機能障害は目にみえる病状ではないため、後遺障害の申請を見送る方もいますが、放置すると大きな損失を被ることになるので注意してください。

後遺障害の例として、認知障害や認知症、人格変化がありますが、原因が高次脳機能障害と速やかに判断できる医師は少ないと言われており、わがままのように見られてしまうケースも多いようです。

後遺障害には複数の等級があり、神経機能の著しい障害で要介護と認められる第1級の場合、保険金額は最大4,000万円になります。神経機能の障害と認められる第9級でも616万円の保険金額となりますが、等級によって最大3,000万円以上の差が発生するのです。

高次脳機能障害の後遺障害については、事前の準備や手続きの方法によって結果が変わる可能性があります。治療状況なども後遺障害申請に影響しますし、治療途中で休業損害の請求も可能なため、できれば治療中から弁護士へご相談することをお勧めします。

 

 

交通事故の加害者側の自賠責保険に後遺障害認定の申請をおこない、自賠責保険から損害保険料算出機構へ審査を依頼し、3〜6ヶ月の審査期間を経て、自賠責保険から被害者に結果が通知されます。

1-2 高次脳機能障害は賠償金額が高額となることが多い

後遺障害が認められると、高次脳機能障害の賠償金として被害者側に1,000万円単位の金額が支払われます。賠償金のおもな内訳として、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益・将来の介護費があります。

後遺障害慰謝料

後遺障害の慰謝料は、後遺障害等級表によって限度額が定められています。等級は重症度の重い順に第1級から第14級まであり、両目失明などの第1級であれば限度額3,000万円、まぶたの欠損や局所的な痺れなどの第14級であれば75万円が限度額です。

高次脳機能障害の後遺障害では「神経系統の機能又は精神に障害」の条件に該当するため、要介護の第1級では限度額が4,000万円になり、条件が該当する第9級でも616万円の賠償額となります。

  • 第1級:4,000万円
  • 第2級:3,000万円
  • 第3級:2,219万円
  • 第5級:1,574万円
  • 第7級:1,051万円
  • 第9級:616万円

国土交通省「後遺障害等級表

※神経系統の機能又は精神に障害を残した場合の金額

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、事故が発生せず生活に支障をきたす後遺障害も残らなかった場合に得られたであろう収入に対する補償ことを指しています。後遺障害が残った被害者本人から加害者に請求をおこないます。実際に収入を得ていた人はもちろん、専業主婦や学生なども経済価値が認められる活動をしている場合、将来の収入を計算し請求できます。後遺障害逸失利益の金額は、基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に準じたライプニッツ係数をかけることで算出されます。

将来の介護費

将来にわたる介護が事故を原因とするものであれば、介護費についても請求が認められます。後遺障害の認定で要介護とされた人はもちろん、要介護と認定されなかった人だとしても、介護の必要性が裁判で認められれば介護費の請求が可能です。近親者が介護をする場合、等級や必要な介護レベルによって日額2,000円〜8,000円、職業人介護の場合は日額10,000円〜20,000円前後が請求金額となります。

2 高次脳機能障害が後遺障害認定されるポイント

高次脳機能障害が後遺障害に認定されるためには、脳への傷害・外傷による意識傷害・知能テストで認知障害の傾向が見られることがポイントになります。

2-1 脳の傷害、変質の画像所見

脳の傷害について、MRI検査やCT検査をおこない脳の傷害や変質の所見を確認します。傷病名としては、脳挫傷や脳室出血、びまん性脳損傷や外傷性くも膜下出血、急性硬膜外血腫や急性硬膜下血腫などが該当します。これらの傷病名が診断される場合、高次脳機能障害が疑われます。受傷直後であれば脳内に出血が見られ、徐々に脳萎縮が確認できるようになり、3ヶ月ほどすると脳萎縮が固定し変化が見られなくなります。

2-2 脳外傷による意識障害

脳外傷により意識を失った場合、高次脳機能障害の恐れがあります。外傷後に6時間以上の昏睡状態、もしくは軽度の意識障害が1週間以上続く場合、早急な検査が必要です。

意識障害の度合いを調べる際は、JCS(ジャパンコーマスケール)やGCS(グラスゴーコーマスケール)という指標がもちいられます。検査を実施したあとは、医師が作成した意識障害についての所見を記載した書類を証明書として提出します。

2-3 神経心理学的な検査結果

知能テストや親類の報告書より、認知障害や行動障害、人格変化の有無について確認します。事故後に残っている症状の程度により後遺障害の等級が変化するため、具体的な情報や多面的な情報を集めることが大切になります。

事故前後の日常生活における変化を細かく描写し、家族だけでなく友人や知人からの情報、学校や職場での評価の変化に関する情報などを用意すると、より信憑性の高い情報を提示できます。

【関連記事 交通事故の日常生活状況報告書の書き方|高次脳機能障害の後遺障害の申請

3 高次脳機能障害は弁護士へ依頼しましょう

高次脳機能障害が後遺障害認定されるためには、適切な手続きが必要になります。知らなかった、やらなかったことが原因で不要な損失を被らないように、早めに弁護士に相談してください。

3-1 被害者請求による後遺障害申請のサポート

弁護士に依頼をすれば、後遺障害申請のサポートを受けられます。後遺障害申請をするには医師による後遺障害診断書が必要ですが、項目に不備があれば、等級が変動する恐れがあります。実績のある弁護士に依頼すれば、被害者が必要とするサポートや適切な賠償金を受け取れます。

3-2 裁判基準による交渉

賠償金額の目安を上記でお伝えしましたが、弁護士へ依頼すると裁判基準での交渉ができます。裁判基準とは、交渉の場が裁判に移行したときに、弁護士が採用する賠償金額の基準のことです。裁判では保険会社の限度額は最低額と考えられ、裁判では限度額の2〜3倍の賠償金を獲得できるケースもあります。

3-3 保険会社との連絡は全て弁護士へお任せ

事故の被害者や親族は治療や後遺症で悩まされているため、保険会社との複雑なやりとりは負担が大きくなります。しかし、適切な賠償金額を請求するためには、向き合わないわけにはいきません。弁護士に依頼すれば、交渉の準備から連絡まですべて任せられるため、被害者と向き合う時間を取られずに済むはずです。

3-4 裁判対応も可能

賠償金の請求をおこない保険会社と交渉をしても、条件に折り合いがつかなければ、裁判での審理を受けることになります。裁判に慣れている人はほとんどいないため、手続きなどは弁護士に依頼するのがおすすめです。実績のある弁護士であれば、想定されるリスクを事前に洗い出せるため、十分な対策が可能です。

3-5 被害者参加も対応可能

検察が加害者に対して刑事裁判を起こした場合、被害者も傍聴席から裁判の行方を知れます。ただし、傍聴席から意見を伝えることはできません。法律についての意見や事故のときの心情を伝える方法として、被害者参加制度の利用があります。弁護士が参加の手続きをサポートします。
 

3-6 成年後見手続き

事故の後遺症が被害者の判断能力に影響をおよぼすと考えられる場合、被害者の権利を守るための制度として成年後見があります。成年後見人に弁護士を選任することで、弁護士が本人に代わって契約締結や財産管理ができるようになります。スムーズに手続きを進め、不当な交渉をさせられないための対策になります。

4 まとめ

高次脳機能障害についての手続きや、弁護士に依頼するメリットについて解説しました。高次脳機能障害は、手続きの進め方次第で受け取れる賠償金の額が1,000万円単位で変わる可能性のある事案です。
 
適切な補償を受けるために、経験のある弁護士にご相談ください。
 
 

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