誰でもできる終活ノートの作り方!手順や留意点を弁護士がやさしく解説

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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誰でもできる終活ノートの作り方!手順や留意点を弁護士がやさしく解説

人生の終わりに備えて、終活ノートを残そうと考えている人が増えています。

終活ノートの作り方には、「遺言」と異なり、特に法律の規定はありません。本人の好きなように書くというのが基本です。

「いいものを書かなくては」と構えてしまうと、終活ノートの作成について難しく感じるかもしれませんね。けれども、「自分がいなくなった後、家族が困らないように情報を残すことが終活ノートの目的」と考えれば、自然に書くことが絞り込まれていきます。さらに、作り方の手順を覚えてしまえば、誰でも簡単に作成できるでしょう。

この記事では、相続に詳しい弁護士が、終活ノートに盛り込む情報の種類とともに、終活ノートの作り方を分かりやすく説明します。

一度で作成が難しければ、繰り返しこのページを参照していただいて、自分の納得のいく終活ノートを作りましょう。

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1 終活ノート・エンディングノートとは?

終活ノート・エンディングノートとは?

終活ノートとは、人生の終わりから亡くなった後のことを想定して書き記したノートのことです。「エンディングノート」と呼ばれることもあります。

自分史を残すなど、自分のために終活ノートを作成する場合もありますが、ここでは、「自分がいなくなった後、家族が困らないように情報を残すこと」を目的とした終活ノートの作成を前提として話を進めていきます。

1-1 終活ノートと遺言書との違い

終活ノートには、人生の最後を迎えるにあたり言い残しておきたいことなどを書きますので、ある意味遺言と捉えられるかもしれません。

けれども、終活ノートと遺言書は異なるもので、別々に作成する必要があります。遺言は、法律で様々な形式な内容のルールが定められていますので、注意が必要です。

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終活ノートと遺言書の違いについて、下記にまとめました。

 

終活ノート

遺言書

形式

自由

あり

種類

特になし

・自筆証書遺言

・公正証書遺言

・秘密証書遺言

記載内容

自由

財産分与に関する情報

法的効力

なし

あり

例えば、財産分与をめぐって家族が対立することが予想される場合は、終活ノートとは別に法的効力のある遺言書を作成することをおすすめします。

1-2 終活ノートを書くタイミングは?

終活ノートを書くタイミングには、特に決まりはありません。

書きたい時がタイミングだと思ってよいでしょう。ただ、タイミングがつかめずに書けないというのなら、以下のタイミングで終活ノートの作成を検討してみてください。

・年齢の節目(60歳、70歳など)を迎えた時

・人生の節目(結婚や定年退職など)を迎えた時

・身内の死に直面するなど死について考えさせられた時

2 終活ノートに盛り込むべき情報は?

終活ノートの中身.jpg

終活ノートに何を書くかは、本人次第です。

そう言うと、「何を書いたらいいか分からない」となってしまうかもしれませんね。「自分がこの世を去った後、遺された家族が困らないための情報」と考えると、書くべき内容を絞り込みやすいでしょう。

一般的に、終活ノートに盛り込む情報は、以下の項目といわれています。

・自分自身に関する情報

・今後希望することに関する情報(医療や葬儀方法)

・財産などお金に関する情報

・親しくしている知人に関する情報

・身内や親しい人に対する感謝

各項目について、詳しく見てみましょう。

2-1 自分自身に関する情報

自分自身に関する情報とは、生年月日や本籍などの情報を指します。

終活ノートに記入する自分自身に関する情報には、以下のものがあります。

①基本的な個人情報

・生年月日

・本籍地

・現住所

・マイナンバー

・引っ越し歴

・家族構成

・資格

・在籍していた学校名

・勤めていた会社名

②アカウント

・emailのメールアドレスとパスワード

・SNSアカウントのIDとパスワード

・オンライン上に開設したアカウントのIDとパスワード

・定期購入している商品情報(購入先の会社名・連絡先・商品名・アカウント情報)

・パソコンのアカウント(IDとパスワード)

・スマートフォンなど携帯電話のアカウント(IDとパスワード)

これらの情報は、遺された家族が故人に代わって手続きをする際に必要です。

書いたら、記載する情報に誤りがないかどうか確認するようにしましょう。

2-2 今後希望することに関する情報

今後希望することとは、

・介護が必要となった時

・入院した時

・亡くなった時

に、リクエストしておきたいことを意味します。

具体的にどのようなことを終活ノートに記載したらいいのかについては、下記を参考にしてください。

①介護が必要となった時

・希望する介護先

・介護してもらいたい人

・介護費の捻出

②入院した時

・延命治療の有無

・病名の告知

・臓器提供を希望する有無

③亡くなった時

・葬儀の方法(家族葬など)

・信仰している宗教

・喪主

・遺影の有無

・祭壇の種類

・納骨先

・参列してほしい人

・ペットの引取先

・その他要望

例えば意識不明の状態で病院に運び込まれた場合、家族は病院から延命治療の有無を聞かれます。けれども、家族は本人に確認することができないため、返答に困るでしょう。

こうした事態を避けるためにも、自分に何かあった時の対応について、終活ノートに書き残すことはとても重要です。歳を重ねて判断能力が落ちる前に、希望していることを書き残すようにしましょう。

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2-3 財産などお金に関する情報

身内が亡くなり遺族間でもめることといえば、相続に関することではないでしょうか。

終活ノートは遺言書とは異なりますが、「どのような財産を持っているのか」について全て書き出すことで、家族間のトラブルを避けやすくなります。

終活ノートに書き残すべき財産などお金に関する情報には、以下のものがあります。

①不動産

・不動産の種類

・不動産の所在地

・不動産の名義

・不動産の用途

②預貯金

・金融機関名

・金融機関コード

・支店名と番号

・口座の種類

・口座名義

・口座番号

・登録している印鑑

③有価証券

・債券の種類

・株式の種類

・投資信託の種類

・取引先の金融機関

④遺言書

・遺言書の有無

・遺言書の保管場所

・遺言書の種類

⑤生命保険

・生命保険の種類

・加入している生命保険名

・加入している生命保険会社の連絡先

・担当者名

・証券番号

・保険の受取人

・保険証などの保管場所

上記以外で、「価値がありそうだ」というものを所有している場合は、念のため終活ノートに記録しておきましょう。

2-4 親しくしている知人に関する情報

「自分はよく知っていても、家族は知らないかもしれない」という知人はいないでしょうか。自分に何かあった場合、家族が親しくしている知人に連絡できるように、住所や電話番号といった連絡先を終活ノートにまとめておきましょう。

2-5 身内や親しい人に対する感謝

終活ノートには、書き残しておくべき情報の他に、家族に伝えておきたいメッセージも書きましょう。あとで家族が読み返した時に慰められたり、故人を偲んだりするなど、終活ノートが家族の心の支えになります。

感謝の言葉とともに、家族との思い出をつづるのもいいですね。

他にも、

・謝りたかったこと

・隠していたこと

・気がかりだったこと

など、長年ずっと言えずに胸にしまっていたことがあったら、この機会にノートに書き記すという選択もあります。

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以上が、終活ノートに盛り込む情報の紹介でした。

この中から必要だと思う項目を選んでまとめておくと、終活ノートを選びやすくなりますし、書き出しがスムーズです。次の章から、終活ノートを作成する流れについてご紹介します。

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3 終活ノートの作り方3つのステップ

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終活ノートの作り方は、とても簡単。

記入する項目について理解し、書くことをざっくりと決めたら、以下の3ステップで進めていくだけです。

ステップ① 終活ノートに盛り込む情報を整理する

ステップ② 終活ノートを手に入れる

ステップ③ 終活ノートに記入する

3-1 ステップ①:終活ノートに盛り込む情報を整理する

終活ノートを書くと決めたら、記載する情報を整理しましょう。

「書きたいことは大体決まっているから、情報の整理は必要ない」と思うかもしれません。けれども、頭の中の情報を直接文章にしようとすると、意外と長くなってしまったり、何を書いているのかが途中で分からなくなったりすることが多々あります。

うまく書けないと手が止まってしまい、終活ノートの作成に対する気持ちを失ってしまうことが考えられます。それを避けるためにも、記載する情報は、ノートに書き出すなどして整理することが大切です。

情報を整理したら、関連資料(各種書類や写真など)を集めて、終活ノートに書き出す準備を整えましょう。

3-2 ステップ②:終活ノートを用意する

終活ノートの入手方法には、

・ダウンロードサイトから無料でダウンロードする

・エクセルや普通のノートなど使いやすいものを用意する

・市販のものを購入する

などがあります。

どの方法で終活ノートを入手するかは、個人の好みです。以下の視点から選ぶとよいでしょう。

・記載する情報の盛り込みやすさ

・使い勝手の良さ(ちょうどいい大きさなど)

・保管のしやすさ

・好みのデザイン

・予算

3-3 ステップ③:終活ノートに記入する

盛り込む情報と終活ノートを用意したら、実際に記入していきます。

書き方のルールはありませんが、書きやすい項目から埋めていきましょう。どうしても埋められない項目があったら、空欄のままにしておきます。終活ノートの作成は、手を止めないことがポイントです。

その他のポイントとして挙げられるのが、できるだけ簡潔に書くことです。

終活ノートということもあり、書きたいことは全て記入したいと思うかもしれません。

けれども、詳細に描写することで、かえって相手に伝わりにくくなることがあります。何を伝えるかを最初に1つ決めて、できるだけシンプルに書くようにしましょう。言いたいことが2つ以上ある場合は、箇条書きにするなど読みやすさを工夫することが大切です。

4 終活ノートを作成した後の留意点

終活ノートを作成した後の留意点.jpg

終活ノートは作成したらそれで終わり、というわけではありません。

“その日”が来た時に役目を果たすためにも、以下の点に留意しましょう。

・決めた場所に保管する

・定期的に読み直す

4-1 決めた場所に保管する

終活ノートは、決めた場所に保管しましょう。

保管場所を変えてばかりいると、家族に見つけてもらえない可能性が高まります。

それではどこに保管するべきかということですが、「安全性」と「見つけてもらいやすさ」のバランスを考えて決めることがポイントです。

安全性を追求しすぎると、銀行の貸金庫など、安全性は高いものの本人以外の人が開けるには難しい場所を選ぶ可能性が高まります。逆に見つけてもらいやすさばかりに目が行ってしまうと、誰でも見つけやすいような場所に終活ノートを置いてしまい、見られたくない人にまで読まれてしまうリスクが高まります。

終活ノートを保管する場所は、家にある金庫や鍵付きの引き出しなど、安全性が確保されかつ身近に保管できる場所がおすすめです。

4-2 定期的に読み直す

書いた終活ノートは、定期的に見直しましょう。書いたあとに追加したいことや変更したいことが出てきた場合、早めに修正できるからです。

読み直すといっても、毎月読み直す必要はありません。1年に1回程度で十分です。もしくは、変更したいことが出てきたら、その都度修正するようにするとよいでしょう。

5 弁護士ができる終活支援

弁護士ができる終活支援.jpg

弁護士は、法的効力を伴う終活支援が可能です。さらに、その範囲は他の専門家よりも広いという点に特徴があります。例えば、遺言書の作成は弁護士以外の専門家(司法書士や税理士など)でも作成可能ですが、弁護士は

・遺言書の作成

・遺言信託

・債務処理

・死後事務

といった終活支援に対応しています。

5-1 遺言書の作成

遺言書は、自分が死亡したあとの財産処分について、希望する処分方法などを伝えるための書類です。

遺言書は自分でも作成できますが、日付を入れ忘れるなど何か不備があると無効となるため注意が必要です。

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弁護士に遺言書の作成を依頼することで、遺言書が無効になるといった事態を避けられるでしょう。

また、相続人以外の人に対して遺産を渡したい場合には、遺言書は非常に有効な手段です。遺言がない場合には、相続人がおらず、特別縁故者の要件を見たさない限り、その人は遺産を取得できません。

【関連記事】特別縁故者となる要件は?財産分与までの流れを弁護士が徹底解説!

遺産があり、処分方法を残さないと家族間で争いが起こることが予想される、または処分方法に自分の希望を伝えたいと強く思っている場合は、遺言書を作成しておくと安心です。

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5-2 家族信託

家族信託は、財産管理の方法のひとつで、あらかじめ不動産屋金銭などの財産を信頼できる家族に託し、管理処分を任せるものです。この手続きを弁護士がサポートします。

5-3 死後事務委任

死後事務とは、その人が亡くなった後にする各種手続きのことをいいます。死後事務には、お葬式の手続きやクレジットカードの解約などが含まれます。

死後事務は、受任者が故人に代わって手続きなどを行うわけですが、相続人との間で意見の食い違いによるトラブルが発生しやすい傾向にあります。

弁護士が受任者になる場合は、こうしたトラブルに法的な立場から対応可能です。死後事務を弁護士に依頼する場合は、生前に委任契約を結んでおく必要があります。

【関連記事】死後事務委任契約とは|契約すべき人や手続き、費用まで詳しく解説

6 まとめ:終活ノートを活用して、納得のいく終活を実現しましょう!

弁護士 大隅愛友

本記事では、終活ノートの作り方について詳しくご紹介しました。

事前に盛り込みたい情報を決めて必要な資料をそろえておけば、その後の作業がスムーズです。場合によっては盛り込む情報が多くなるため、終活ノートの作成が終わるまでに、時間がかかることが予想されます。情報収集から完成まで時間に余裕を持って進めるようにしましょう。

終活ノートを作成していくうちに、「遺言書を作成した方がいいかもしれない」など、終活支援の必要性を感じるかもしれません。その場合は、相続に詳しい弁護士などに相談することをおすすめします。

終活ノートを適切に作成して身辺整理に役立て、後悔のない納得のいく終活を進めていきましょう。

監修者

ベストロイヤーズ法律事務所

代表弁護士 大隅愛友

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