急ブレーキでむちうちに!非接触事故の慰謝料請求、損害賠償について解説

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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急ブレーキでむちうちに!非接触事故の慰謝料請求、損害賠償について解説

接触がないにもかかわらず、急ブレーキによって、むちうちを引き起こすケースが存在します。

非接触事故とは、他の車両などとの物理的な接触がない事故を指しますが、その影響は決して軽視できるものではありません。

また、非接触事故による損害賠償や慰謝料の請求は、接触事故と比べて、因果関係やケガ・後遺障害の程度等で争われることが少なくありません。

本記事では、急ブレーキによる非接触事故でむち打ちとなってしまった場合の対応方法、そして慰謝料請求のプロセスについて、弁護士の視点から詳しく解説します。

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1 急ブレーキでむちうちに!非接触事故でもむちうちになる?

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1-1 非接触事故とは?

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非接触事故は、その名前が示す通り、物理的な接触のない事故を指します。

『誘因事故』とも呼ばれ、多くの場合、接触を回避するために急なハンドル操作や急ブレーキが行われることによって生じます

これらの急な動きによって、後続車の運転者や乗客にむちうちを引き起こす可能性があるのです。

一方で、通常の接触事故は、車同士の衝突、車とガードレールの衝突、または車と歩行者の衝突など、物理的な接触が伴う事故を指します。

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これらの事故では、明確な衝突があり、物が壊れたり人が怪我をしたりする被害が生じます。

非接触事故の特徴的な問題点は、事故の原因とされる車が実際には何も接触していないため、その運転手に法的な責任があるのか、そして被害者が慰謝料を請求できるのかどうか、疑問に感じる点にあります。

事故の原因とされる車との物理的な接触がないため、法律的な責任や損害賠償を認めないというケースも多いのです。

そのようなことから、非接触事故の状況や影響を理解することは、運転者が法律的な問題や慰謝料請求に備える上でとても重要です。

1-2 非接触事故でも急ブレーキでむちうちになることが

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むちうち損傷は通常、交通事故における衝突や衝撃により、首の周囲の構造が急激に前後に動かされることによって生じます。

首の構造に大きなストレスを与え、頭がムチのように動くことから、『むちうち』という名前が付けられています。

しかし、物理的な接触がなくても、急ブレーキをかけることでむちうちによる損傷が生じることがあります。

急ブレーキをかけることによって、首の周囲の筋肉や靭帯、そして軟部組織に不自然な力を与え、頚椎にストレスがかかり、むちうちの症状が発生する可能性があるのです。

むちうちの症状は、事故直後には明らかでないことも多く、症状が現れるのは事故の数時間後や翌日であることが多いです。

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多くの場合、むちうちの症状は2〜3ヶ月以内に徐々に改善されるとされていますが、中には数ヶ月や数年にわたって症状に悩まされる人もいます。

そのため、非接触事故の場合、相手方との示談交渉が難しくなる可能性があります。

急ブレーキをかけた結果、むちうち損傷を受けたと主張する場合、事故の相手側が認めない、証明が求められるといった論争が発生するケースが珍しくないからです。

1-3 怪我がなければ刑事責任は生じない

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非接触事故においては、全てのケースで法的責任が生じるわけではありません

例えば、歩行者が飛び出しによって転倒したり、運転者が急ブレーキをかけて首を痛めたりしても、実際に怪我がなければ、刑事責任や民事責任は問われないことがあります。

しかし、運転行為が道路交通法違反、例えば飲酒運転、信号無視などに該当する場合、運転者には行政処分(違反点数の付与や免許の停止など)をもたらす可能性があります。

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さらに、物的損害が生じた場合、たとえ怪我がなくても、加害者は被害者に対して修理費用を支払う法的義務があります。

したがって、非接触事故で問題となるのは、その結果として「むちうち」やその他の怪我が生じた場合です。

「むちうち」の症状が出た際には、その症状が非接触事故の結果であると主張することが重要になります。

むちうちの症状が明らかになった場合、運転者は民事責任を問われる可能性があり、慰謝料請求に応じなければならない場合もあるからです。

2 急ブレーキによる非接触事故が起きた時の対応

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2-1 事故の状況を確認する

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非接触事故が発生した際には、まず最初に事故の状況を把握することが重要です。

非接触事故の特性上、加害者は事故の発生に気づかないこともあり、気づいていてもその場を離れることがあります。

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そこで、事故が発生した直後に、加害者を呼び止めることが重要になります。そして、警察に連絡し、加害者と連絡先や車の情報、保険の情報など、情報交換を行います。

しかし、加害者がその場を離れてしまった場合、可能な限り車のナンバープレートや車種、色などの情報を覚えておくことが重要です。

記憶が新しいうちに、スマートフォンのメモ機能や録音機能を利用して、車の情報を記録しておくことが推奨されます。

これにより、後で警察や保険会社に事故の詳細を報告する際に、正確な情報を提供することが可能になります。

非接触事故の状況確認は、事故の対処と法的責任の明確化において非常に重要です。

事故の状況を正確に把握し、必要な情報を収集することで、事後のトラブルを避け、適切な対処を行うことが可能になります。

また、事故の証拠となる情報を収集することで、保険請求や法的手続きをスムーズに進めることができます。

2-2 目撃者を確保する

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非接触事故の際には、事故の詳細を明確にするために目撃者の証言を得ることが非常に有益です。

事故の因果関係の立証はとても困難であるため、目撃者の存在は事故の状況を理解し、法的手続きを助ける重要な要素となるのです。

目撃者がいる場合、その連絡先を取得しておくことによって、後の法的対応や保険請求において重要な証拠となる可能性があります。

目撃者は、被害者が確認できなかった加害者車両の特徴や事故発生時の状況を見ている可能性があります。

事故発生時の車両の位置や動き、交通状況、信号の状態など、事故の原因や結果を理解する上で重要な要素が含まれていることがあります。

そのため、事故の詳細を正確に把握し、事故の責任を明らかにする上で非常に価値があると考えておくことが大切です。

警察や保険会社に対する報告の信憑性を高め、事故の責任者を特定する上でも有用な情報となるのです。

2-3 相手が立ち去ってしまった場合

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非接触事故において、相手方がその場を立ち去ろうとする場合は、相手方の車のナンバープレートを確認し、記録することが大切です。

ナンバープレートの情報は後々、相手方を特定するための重要な手がかりとなるからです。

車に乗っている場合、ドライブレコーダーの映像を確認することで、ナンバープレートや車の特徴を確認することができる場合があります。

もしドライブレコーダーに相手の車が映っていれば、それは貴重な証拠となります。

ナンバープレートを確認することができなかった場合でも、車種や色、特徴などを記録しておくことで、後に相手を特定できる可能性もあります。

事故の目撃者がいる場合は、証言を得ることが重要です。目撃者の連絡先を交換し、後の調査や交渉に協力してもらえるように伝えておくようにしましょう。

さらに、事故現場近くの第三者の車がドライブレコーダーを装備しているのであれば、映像の提供を依頼することも有効となるでしょう。

また、事故現場の写真や、近隣の防犯カメラの映像なども有効な証拠となる可能性があります。

警察に通報し、警察の到着を待つ間に、可能な限り証拠を保全する努力を怠らないようにしましょう。

2-4 警察には必ず事故の届け出を

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非接触事故が起きた際も、警察への報告は法律により義務付けられています。

他の人が巻き込まれていなければ、被害者はあなた一人であるように思えるかもしれません。しかし、道路交通法では、事故発生時に警察への報告を必須としているのです。

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報告を怠った場合、後に保険金請求を行う際に必要な「交通事故証明書」の発行を受けることができなくなります。

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このため、事故後のケガやむちうちによる痛みが明らかになった際に、治療費を加害者に請求することが困難になる可能性があります。

事故として警察に報告することで、警察は事故の実態を調査します。この過程で実況見分が実施され、事故の詳細を記載した「実況見分調書」が作成されます。

この調書は、事故の状況を明確にする重要な資料となり、事故の過失割合を判断する際にも参考にされるのです。

警察から実況見分の立会いを求められる場合、事情があっても協力することが求められます。

実況見分においては、事故の状況を明確に主張し、自身の立場をはっきりと警察に伝えることが重要です。

これによって、非接触事故による損害を賠償してもらうための基盤を築くことができます。

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3 非接触事故によるむちうちは損害賠償できる?

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3-1 非接触事故でも損害賠償は可能

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むちうちの症状が非接触事故によるものであっても、事故の原因が相手にあると証明できれば、損害賠償を求めることが可能です。

交通事故による損害には大きく分けて、「積極損害」と「消極損害」の2種類があります。

積極損害は、事故により実際に支出が生じた損害のことを指します。

例えば、事故でむちうちとなり、治療を受けた場合の医療費や、入院・通院にかかる交通費、さらには事故で破損した車両の修理費や、衣服などの物的損害にかかる費用などが含まれます。

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一方、消極損害は、事故によって失われた利益を指します。

具体的には、むちうちの治療によって仕事を休むことになり、収入が減少した場合の休業損害や、後遺障害により将来の収入が減少する逸失利益などが含まれます。

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さらに、事故による精神的な苦痛に対する慰謝料も、消極損害の一部として損害賠償を求めることができます。

これらの積極損害と消極損害を合計した金額が、要求する損害賠償額となります。

しかし、損害賠償額の最終的な決定には、事故の過失割合が影響を与えます。例えば、事故の過失割合が加害者70%、被害者30%とされた場合、損害賠償額の70%を加害者から請求することができます。

過失割合の判断は、事故の具体的な状況や証拠に基づいて行われます。

そのため、過失割合の判断が損害賠償額に大きく影響するため、事故の状況を正確に把握し、必要な証拠を確保することが重要です。

3-2 加害者が立ち去った場合には慰謝料が増額することも

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非接触事故において加害者が立ち去る行為は、当て逃げまたはひき逃げとして判断される場合があるため、法律上非常に重大な問題となる可能性があります。

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無責任で悪質な行為と見なされ、その結果、被害者が受け取ることができる慰謝料の額が増加する可能性があるのです。

実際に、加害者が立ち去ったことにより慰謝料が増額された事例も過去に報告されています。

しかし、重要な点として、慰謝料は基本的にむちうちなどの人的な被害が発生した際にのみ請求することができるものであり、物損被害だけが生じた場合には請求は困難です。

慰謝料は、被害者が事故によって受けた精神的苦痛を補償するためのものであり、物損だけが発生した場合には、この条件を満たさないため、慰謝料の請求は通常認められないのです。

そのため、非接触事故において加害者が立ち去った場合には、被害者としては法律の専門家に相談し、必要な証拠を収集し、適切な法的手続きを踏むことが重要です。

3-3 怪我をしていなくても賠償請求は可能

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非接触事故の際でも、人身被害がない場合にも、物的損害がある場合は賠償請求が可能となります。

例えば、車両やバイク、自転車に損傷が生じたり、所有物が壊れたりした場合、加害者に対して物損に関する賠償を求めることができます。

修理費用や交換費用が含まれることがあります。

一方で、物的損害も人身被害もない状況では、非接触事故に関する賠償請求は困難となります。

交通事故においては、精神的苦痛の補償として慰謝料請求ができますが、怪我をしたことによる精神的な苦痛に対して慰謝料が支払われることが一般的です。

そのため、どれだけ精神的苦痛があったとしても、怪我がない状況での慰謝料請求は、通常認められないことが多いのです。

4 急ブレーキでむちうちが生じた非接触事故で争点になりやすいポイント

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4-1 加害者が原因を認めない

急ブレーキでむちうちが生じた非接触事故の場合、特に争点となりやすいのは事故の原因の所在です。

接触事故とは異なり、非接触事故では物理的な接触がないため、加害者は事故の原因が自分にあると認めにくい傾向があります。

加害者が自身の行動が被害者にどのような影響を与えたのかを理解していない、または認めたくないことがあるためです。

被害者からすれば、避けるために急ブレーキをかけてむちうちが生じたのであっても、加害者は、不注意が原因で急ブレーキをかけたのではないか、と反論するのです。

このような状況では、どちらの主張が正しいのかを判断するのは難しいため、事故の原因を明確にすることが必要となります。

4-2 過失割合が問題になることも

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非接触事故の際には、事故の原因が明確になった後、続いて問題になるのが過失割合です。

過失割合とは、事故における両当事者の責任の比率を示すものです。交通事故の過失割合は、場合によって被害者側にも何らかの過失が存在することが珍しくありません。

もし被害者側にも過失があると判断された場合、その過失の程度に応じて賠償金額から一定の額が減額される、これを『過失相殺』と呼びます。

過失割合は各事故の具体的な状況に基づいて判断され、接触事故と非接触事故の両方で適用されています。

特に非接触事故において過失割合を決定する際には、いくつかの要因が考慮されます。

加害者による進路妨害の程度や、被害者の事故を避けるための行動が適切だったかどうかが、その要因として評価されることがあります。

このようにして、事故の状況や当事者の行動を総合的に考慮し、過失割合を決定することになるのです。

5 まとめ|急ブレーキでむちうちは弁護士へ

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急ブレーキによる非接触事故は、交通事故の一種でありながら特殊な状況を含んでいます。

この記事では、急ブレーキによってむちうちが生じた非接触事故が発生した際の、基本的な対処方法から、損害賠償請求のポイントまでを広範にわたって解説しました。

非接触事故の対処と損害賠償に関する基本的な知識を身につけ、適切な行動を取ることが求められます。

非接触事故は困難な状況を含むことが多いため、交通事故を専門にした弁護士に相談することがおすすめです。

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監修者

ベストロイヤーズ法律事務所

代表弁護士 大隅愛友

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