相続財産清算人(旧 相続財産管理人)の選任にはいくら必要?費用の内訳や節約方法を解説!

監修者ベストロイヤーズ法律事務所

弁護士 大隅愛友

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相続財産清算人(旧 相続財産管理人)の選任にはいくら必要?費用の内訳や節約方法を解説!

遺産はあるものの相続人がいない場合、相続財産管理人の選任が必要になるケースがあります。

具体的には、特別縁故者の制度を利用する場合や、相続放棄があり相続人が不存在となった場合等に利用されます。

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しかし、相続財産管理人の選任には、高額な費用が発生することも多く、高い場合は100万円程かかることも少なくありません。

本記事では、相続財産管理人を選任する際にかかる費用の内訳や、法律に沿って費用をおさえる方法などについて解説します。

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1 相続財産清算人(旧 相続財産管理人)とは?

相続財産清算人(旧 相続財産管理人)とは

相続人がいない場合、相続人に代わって相続財産の管理をする人相続財産管理人です。

相続財産管理人は、遺された財産を法的に処理する手続を行います。その他にも、相続人を探したり、故人の債務返済や受遺者への支払など財産の清算をしたりします。

相続財産管理人の選任は基本的に家庭裁判所が行い、法律の専門家である弁護士や司法書士などが選ばれやすいです。

2 相続財産清算人が選任されるケース

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相続財産清算人は、相続人がいないケースで自動的に選任されるわけではなく、利害関係者(相続債権者や特別縁故者など)か検察官の申立によって選任されます。相続財産清算人が選任されるのは下記の2パターンです。

2-1 相続人がいない(もしくは不明な場合)

法定相続人が誰もおらず、遺言書がないケースです。この場合は故人の財産を管理する人がいないため、相続財産管理人の選任が必要です。

法定相続人がいるか定かではない状況もこのケースに該当します。

法定相続人がいない状況とは、たとえば両親が他界し、兄弟姉妹もおらず、独身の状態で亡くなったような場合です(いわゆる天涯孤独状態)。相続人が1人もいない場合は、故人の債権者や検察官が申立をすることで相続財産管理人が選任されます。

なお、相続人がいなくても遺言書がある場合、相続財産管理人は選任されません

2-2 相続人全員が相続放棄をした

相続人全員が相続放棄をすると、故人の債権者は返済をしてもらえなくなってしまいます。そのため、相続人全員が相続放棄した場合は相続財産管理人の選任が必要です。

相続放棄の注意点として、【相続放棄≠財産を管理しなくてよい】があげられます。

相続放棄を最後に行った人は、相続財産管理人が決まるまでの間、財産を管理しなければなりません(民法940条の1項)。管理を怠った場合は債権者から損害請求をされる恐れがあります。

【関連記事:相続放棄しても空き家の管理義務が残るって本当?2023年以降の対処法】

3 相続財産清算人の選任にかかる費用

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相続財産清算人の選任申立を行うには、申立費用の他に、報酬や予納金が必要になる場合も多いです。

清算人への報酬や予納金で費用倒れにならないように、選任申立を行うには、相続財産がある程度の額見込まれることが条件になってきます。かかる費用を想定して、得られる実益がどれほどになるか計算をしておく必要があります。

3-1 申立費用:数千円

家庭裁判所に相続財産清算人の選任申立をする際に、数千円の費用が発生します。内訳は下記です。

  • 収入印紙代:800円
  • 郵便切手代:1000円前後※家庭裁判所ごとに異なります。
  • 戸籍謄本の取得費用:450円
  • 官報公告料:約4000円

3-2 専門家報酬:1万円~5万円

上述したように、相続財産清算人には弁護士や司法書士など専門家が選任されやすいです。こういった場合、月に1万円〜5万円が相続財産清算人への報酬相場となっています。報酬額は、財産管理にかかる手間や手続の量などによって変動します。

3-3 予納金:10万円~100万

予納金は、相続財産清算人への報酬や、財産管理業務を行うのに必要な経費を事前に一部支払うお金です。

予納金額は家庭裁判所が決定しますが、10万円〜100万円と相場の幅は広いです。予納金額がいくらになるかは、財産評価額や遺産がどういった財産かによって決まります。

たとえば、預・貯金が多い場合、予納金は安くなる傾向があり、不動産や株式が多いと高くなる傾向があります。予納金を支払うのは、相続財産清算人選任の申立を行った人です。

4 相続財産清算人への支払方法

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相続財産清算人の選任にかかる費用は数10万円〜100万円程になり、支払が厳しいと思う方もいるでしょう。

しかし、相続財産清算人への報酬や予納金の支払は基本的に相続財産から差し引かれます。そのため、申立人が高額な予納金を納める場合は相続財産の額が少額である場合です。

相続財産に十分な現預金があれば、予納金の支払は命じられないこともあります。なお、予納金の支払が難しい場合は、相続財産清算人の選任は行えません

5 相続財産管理人の費用をおさえる方法

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相続財産管理人の費用は高いケースでは100万円程度になることもあり、費用倒れを心配する人も多いです。ここでは、相続財産管理人の選任にかかる費用をなるべくおさえる方法を2つ紹介します。

5-1 自分で申立を行う

相続財産管理人選任の申立は、弁護士や司法書士に任せることも可能ですが、少しでも費用をおさえるなら自分自身で行いましょう。

専門家に代行してもらえるのはたしかに安心ですが、代行費がかかってしまいます。申立手続は、専門家でなくても誰もが行えます。

5-2 相続財産清算人に親族が立候補する

弁護士や司法書士が相続財産清算人になると、専門家報酬が必要ですが、親族が相続財産清算人になった場合この費用は発生しません。

そうなると、親族を相続財産管理人とすることで、費用をおさえたい人もいるでしょう。相続財産清算人になるのに資格は不要で、親族も相続財産清算人になれる可能性はあります。立候補をすれば、裁判所に推薦も可能です。

しかし、立候補者が必ずしも選任されるわけではありません。上述のように、相続財産清算人を誰にするかの決定権は家庭裁判所がもっています。故人や相続人との関係性、利害関係などを考慮したうえで選任が行われます。

5-3 予納金を複数人で負担する

上述したように、相続財産清算人への予納金は申立人が支払うものです。申立人が1人でなく複数人であれば、予納金を分担することも可能でしょう。予納金が分担できれば、1人当たりの支払費用をおさえられます。

6 弁護士に相談するメリット

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相続財産清算人を選任するかどうか迷った際は、弁護士に相談してみることで最適な方法をアドバイスしてもらえます。

これまで解説してきたように、相続財産清算人を選任するには高額な費用がかかる可能性があり、申立の手続にも書類収集など手間がかかります。

本来であれば相続財産清算人が必要なケースであっても、事前準備をしっかりと行っておくことで相続財産清算人なしで、財産を望む人に渡したり清算をしたりすることも可能です。

たとえば、遺言書養子縁組の制度を活用することで対策できます。

【関連記事】(遺言書)遺産を一人だけに相続させたい|ケース例や注意点を解説!

【関連記事】養子縁組の相続|メリット・デメリットを弁護士が徹底解説!

相続財産清算人の選任について困った際は、ぜひ相続の分野に強い弁護士に相談をしてみてくだい。

7 まとめ

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相続財産管理人の選任には数10万円〜100万円の費用がかかる場合も少なくありません。

この金額には申立費用や専門家報酬、予納金が含まれます。高額になりやすい予納金については、相続財産から差し引かれることもあります。

費用について不安な場合は、弁護士に相談することで遺言書や養子縁組など最適な方法をアドバイスしてもらうことが可能です。結果的に高い予納金を支払わずにすむこともあるでしょう。

困った際はぜひ専門家である弁護士に依頼してみましょう。

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